光のもとでⅠ
 関係上の名前なんてどうでもいい……。
 少し自分の考えをまとめていたからか、気づけば翠の視線が俺に固定されていた。
「何?」
 訊けば、翠は少し困った顔をした。
「ツカサだなって思っただけ」
 は……?
 翠の言うことは時々シンプルすぎて理解が困難。
「何それ……」
「ううん、本当に意味はなくて、ツカサがいるなって思っただけ」
 あぁ、そう……。なら、
「……翠だ」
「え?」
「翠が目の前にいるって思っただけ」
< 3,076 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop