光のもとでⅠ
「迷惑じゃねぇんだけど……。管が取れた途端、ガンガン動き出しやがった。ナースコールってものがあるにも関わらず、ナースセンターまで来やがる」
 やっぱりダメだっただろうか……?
「あぁ……それは諦めてください」
 蒼兄はにこりと笑った。
「基本、おとなしくしているよりも、動いていたい子なんで。それに、この夏はずっと動けませんでしたからね」
「……救いようのないシスコンに塗る薬はねぇな……」
 相馬先生はぼやきつつ、
「中庭、暑いから水分補給は小まめにしろよ」
 と冷蔵庫を開け、あらかじめミネラルウォーターで薄めてあるポカリスエットを投げてくれた。
「はいっ!」
 相馬先生は満足気に頷き病室を出ていった。
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