光のもとでⅠ
「幸倉の自宅を手放すつもりはないし、父さんたちはずっと幸倉に住むけれど、蒼樹の都合上、あそこは便利らしいからさ。もし、ゲストルームを買い取るときには、蒼樹名義か唯名義にするつもりだよ」
「……そうなの?」
「あぁ、ほぼ決まりなんだけど、あと二年ちょっとは賃貸の状態」

 すべての準備を終えてマンションに移動。
 幸倉の家からは二十分から三十分くらいの距離。
 そして、学校とは目と鼻の先。
 すごく贅沢な環境だと思う。
 前にお父さんが言っていた。
 ――「どんな治療が降って湧いてもその治療を受けさせてあげられるだけの経済状態を維持する」。
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