光のもとでⅠ
 それが愚痴というより、ほとんど私に対する文句であることが玉に瑕だけど……。
 それでも、嘘がない言葉だと思うから、言葉の裏表を考える必要がなくて楽。

 お父さんと静さんはピアノが置かれている部屋にテーブルと椅子を出し、仕事の打ち合わせをしていた。
 こちらの大きなテーブルの部屋では、私たち三兄妹とツカサ、秋斗さんと蔵元さんと栞さん。
 お母さんはまだ戻ってこない。
 蒼兄もそわそわと少し落ち着きがない。
 どうしたのかな、とは思う。
 たぶん蒼兄は何か知っているのだろう。
 でも、どうしてか訊くに訊けなかった。
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