光のもとでⅠ
 私も髪の毛をまとめて、洗顔の準備をする。
 蒼兄がバスルームに入ったのを確認してから洗面所に入った。
 鏡の前に立ち、
「しばらく髪の毛は結べないなぁ……」
 改めて自分の顔を見て思うことはだたひとつ。
 やつれている。とても貧相に……。
 制服を着ればごまかせる部分はごまかせる。
 でも、顔だけは隠しようがない。
 それを見られるのが嫌だから、と学校へ行かないのも違う。
 それでは夏休みにがんばった意味がなくなってしまう。
「……私は私。そう思わなくちゃだめだよね……」
 少し考えれば、「何を今さら」というツカサの声が聞こえてきそうだった。
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