光のもとでⅠ
「ごめん、ちょっと違う。たとえば、小麦粉とか白米とか、精製されているものはだめっていうことみたい」
「じゃ、全粒粉とかならいいんだ?」
「うん」
 香乃子ちゃんは少し考えてから、
「じゃ、聖人(まさと)くんにお願いしてみようかな?」
 それはいったい誰だろう?
「あ、私の従兄、七倉聖人っていうのだけど、ウィステリアヴィレッジのコンシェルジュしていて、カフェフロア担当なの。会ったことないかな?」
 訊かれて私は首を傾げる。
「あっ! 七倉さんって兄貴からよく聞くけど、七倉の従兄だったんだっ!?」
 代わりに反応を見せたのは空太くんだった。
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