光のもとでⅠ
 慌てて桜林館に入ると、全校生徒が整列を完了させる寸前だった。
 桃華さんに、「こっちよ」と誘導されるままに歩くと、「翠」と後ろからツカサに声をかけられた。
 ツカサが言おうとしたことはわかってるつもりだし、そのつもりだ。
「大丈夫、わかってるよ。倒れる前には離脱する」
「……ならいい」
 ツカサは私たちを追い越して、たくさんの人に紛れて見えなくなった。
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