光のもとでⅠ
08
廊下に出ると、ツカサはいつもみたいに少しの反動でドアから離れる。
その瞬間がちょっと好き……。
目が合えば、「遅い」と一言。
待たせたうえに忘れていたとは言えない。
ここはしっかり頭を下げて謝っておこう。
「ごめんなさい」
「……頭を下げられるほど怒ってない」
そう言って、スタスタと歩きだした。
その後ろ姿を追うと、
「さっき何話して――やっぱなんでもない」
ツカサが言いかけてやめるのはものすごくらしくない。
「さっき、何……?」
「いや……何話してたのかと思って。後ろで海斗や簾条が俺を見て笑ってたから」
河野くんとの会話のことかな……?
その瞬間がちょっと好き……。
目が合えば、「遅い」と一言。
待たせたうえに忘れていたとは言えない。
ここはしっかり頭を下げて謝っておこう。
「ごめんなさい」
「……頭を下げられるほど怒ってない」
そう言って、スタスタと歩きだした。
その後ろ姿を追うと、
「さっき何話して――やっぱなんでもない」
ツカサが言いかけてやめるのはものすごくらしくない。
「さっき、何……?」
「いや……何話してたのかと思って。後ろで海斗や簾条が俺を見て笑ってたから」
河野くんとの会話のことかな……?