光のもとでⅠ
「さっきの先輩たちは知りたかっただけだと思うよ? ……普通に、期間限定家庭教師、って教えてあげたら良かったのに……」
「……翠、課題テストや全国模試の準備できてる? もしできてないなら、俺が面倒見ようか?」
 にこりと笑ったこの人は、間違いなく氷の女王だと思うの――。

 図書室にはまだ誰も来ていなかった。
「今日は何をするの?」
 生徒会役員になってからというものの、こういう場に自分が参加するのは初めてのことだった。
 生徒総会のときも、私は準備に携わらなかった。
 当日は誘導されるままに動いて、渡された資料を読み上げたのみ。
 ここでどんな仕事をするのか、私には未知の領域だった。
< 3,185 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop