光のもとでⅠ
 ちらり、と背後を見ればツカサの手が肩に乗せられているわけで……。
「頭下げるくらいなら座れ」
 ぶつかるとか叩かれるとかそういうのではなく、肩にずしりと重力を加えられているだけ。
 徐々に力を加えられ、私はストンと床にしゃがみこんだ。
「……えと、座って土下座……?」
 真上を向いたら、上下反対にツカサが見えた。
「……暑さで頭に虫がわいてるんじゃないか?」
 ……虫はやだな。
「それ、どういう意味?」
「……立っている状態で頭下げて頭上げたらどうなる?」
 冷たい視線と冷ややかな声。
 まるで省エネエコ大賞をもらえそうな人間冷却機。
 要は安易に体勢を変えるな、と言いたいのだろう。
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