光のもとでⅠ
 これはいったいなんの話なのだろう。
「翠葉ちゃん、本当はね、私も翠葉ちゃんと司サイドの人間なの」
 これはきっとヒント。
 でも、全然ピンとこない。
「姫と王子の出し物――紅葉祭のそれは俺たち当事者には知らされずに話が進み、ある程度決まった時点で開示される。よって拒否権もなければ阻止することもできずに最悪なことをやらされる罰ゲームみたいなイベント」
 ツカサが非常に嫌そうな顔で淡々と教えてくれた。
 このツカサが諦めの境地にいるということは、本当に阻止できないのだろう。
 けれども、姫と王子とはなんだったか……。
「姫と王子も覚えてない?」
 ツカサは声を抑えて訊いてくれた。
 姫と王子と言われたら思い出すのはピンクのドレスに、王子様みたいな格好をしたツカサ。
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