光のもとでⅠ
「すごい……」
「それですごいとか言わないように」
「ツカサ……ルーズリーフ持ってきてもいい?」
「別にかまわないけど――」
 目が、「なんで?」と訊いていた。
「……残念ながら、私はツカサのような優秀な頭脳は持ち合わせていないし、これを読んだだけじゃ覚えられないの」
「あぁ、そういうこと。別にどうぞ」
 なんだか言っていて悲しくなってくる。
 資料の林を抜けると、みんながテーブルについていた。
 私の存在にすぐ気づいたのは久先輩。
「どうしたの?」
「資料見ただけじゃ私は覚えられないので、筆記用具を取りにきました」
「そりゃそうだよねぇ……。あれを頭に入れろって言われたときは俺も面食らった。こっちが形になったら俺もそっちの作業に入るから、それまで司とがんばってね」
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