光のもとでⅠ
 確かにランクの違う病室なのは間違いない。
 でも、そこが埋まらずに患者さんたちが苦しむくらいなら、こんな階はなくしてしまえばいいのに……。
 そう、安易に思う私は子どもなのかな。
 ナースセンターの前を通ると、
「少し早いな?」
 と、相馬先生が時計を見た。
「痛いのか?」
「さっき生理が来て、お腹が痛い人になってます。お薬飲んだけど、そんなに長くはもたないの……」
 すると、相馬先生もほっとした顔をした。
「生理が止まるよりは来たほうがいい。今日は生理痛に効くツボにも鍼打ってやるから安心しろ」
 相馬先生とお母さんが挨拶を済ませると、治療のために病室へ入った。
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