光のもとでⅠ
「このバラはね、『ときめき』っていう名前なのよ」
ゆうこさんはにこり、と笑う。
「ときめき……?」
「そう、翠葉ちゃんは恋してる?」
恋――。
「いっぱい恋してきれいになってね」
と、片手に乗る大きさのフラワーアレンジメントを手渡された。
「ありがとうございます」
栞さんとも少しだけ話をしてその場を離れる。
エントランスのフロントには、見たことのないコンシェルジュがいた。
「おかえりなさいませ」と言われたら、「ただいま」と答えるのが正解。
以前学んでわかっているつもりなのだけど、どうしても「こんにちは」と返してしまう自分がいる。
「学習能力欠乏症かな……?」
ゲストルームはしんとしていた。
タイピングの音も何も聞こえない。
ゆうこさんはにこり、と笑う。
「ときめき……?」
「そう、翠葉ちゃんは恋してる?」
恋――。
「いっぱい恋してきれいになってね」
と、片手に乗る大きさのフラワーアレンジメントを手渡された。
「ありがとうございます」
栞さんとも少しだけ話をしてその場を離れる。
エントランスのフロントには、見たことのないコンシェルジュがいた。
「おかえりなさいませ」と言われたら、「ただいま」と答えるのが正解。
以前学んでわかっているつもりなのだけど、どうしても「こんにちは」と返してしまう自分がいる。
「学習能力欠乏症かな……?」
ゲストルームはしんとしていた。
タイピングの音も何も聞こえない。