光のもとでⅠ
「うん……」
「翠葉、学校は逃げないわ」
 お母さんに背を押されて自室へ戻り、ベッドに横になる。
「わかってるの……わかってるんだけど――」
 一学期だって生理のたびに休んできたのだ。
 学校は逃げないし、休んだからといって桃華さんたちが態度を一変させるとも思っていない。
 わかってる――。
 でも、学期始めの授業を欠席する引け目と、長年身にしみてしまった経験が不安にさせる。
「休み明けの学校は怖いの……」
「……それは今も?」
「……桃華さんや海斗くんたち、ううん――クラスメイトは中学の同級生とは違う。それはわかってるの。でも……怖いって思っちゃうの。不安になるの」
「……最初から藤宮に入れていたら何が違ったのかしら……」
 お母さんが小さく呟いた。
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