光のもとでⅠ
18
『かずさっ、でんわだよっ! かずさっ、でんわだよ!』
なんともかわいい音声が、携帯の着信を教えてくれた。
「そろそろお呼びかな? ほいほーい!」
『和総、あと五分で戻って! 試合が始まるっ』
「了解っ」
通話を切ると、新たに電話をかけなおす。
「あ、理美? 特教棟の一階から体育館に戻る。勝利の女神つきだから迎えに来て。頼んだよ」
言うと、携帯をしまって先に立ち上がった。
「ほら、準決勝行くよっ!」
手を差し出されたけれど、いつも差し出される手とは違う。
節くれだっていて、ゴツゴツした手。
蒼兄の手よりは大きく、お父さんの手よりは少し小さい。
なんともかわいい音声が、携帯の着信を教えてくれた。
「そろそろお呼びかな? ほいほーい!」
『和総、あと五分で戻って! 試合が始まるっ』
「了解っ」
通話を切ると、新たに電話をかけなおす。
「あ、理美? 特教棟の一階から体育館に戻る。勝利の女神つきだから迎えに来て。頼んだよ」
言うと、携帯をしまって先に立ち上がった。
「ほら、準決勝行くよっ!」
手を差し出されたけれど、いつも差し出される手とは違う。
節くれだっていて、ゴツゴツした手。
蒼兄の手よりは大きく、お父さんの手よりは少し小さい。