光のもとでⅠ
 階段を下り、一階の出入り口から桜林館に入ると、相変わらず人でごった返していた。
 そんな中、河野くんが空いているスペースを見つけながら歩いてくれる。
「理美っ、女神のことあと頼むっ」
 河野くんは大声で十メートルほど先にいた理美ちゃんに声をかけ、
「じゃ、俺試合行ってくるわっ!」
 と、コートへと駆けていった。
 その姿を目で追うと、うちのクラスのメンバーと対戦するクラスのメンバーにたどり着く。
「あ、次の試合って、ツカサのクラスとの試合だったのね?」
 そうやって余所見していたのがいけなかったと思う。
 人とぶつかった拍子に痛みが走った。
「っ…………」
 右手で左半身を庇うようにして前かがみになり、その場に座り込む。
「翠ちん、大丈夫っ!?」
「ん……ちょっと余所見してたの」
「でも今の――」
「ん?」
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