光のもとでⅠ
 どの試合も見ることなく終わってしまうのだ。
 でも、さっきの桃華さんの話だと、一学期はそれ以上に大変で、決勝戦まで残らないと試合を見ることができなかったことを察する。
「やな男……」
 隣からぽつりと聞こえるは桃華さんの声。
 視線だけはずっとコートに固定されていた。
 間違いなく、「やな男」なのはツカサ。
 うちのクラスのメンバーは補欠を含め、海斗くん、井上くん、小川くん、河野くん、鈴野くん、瀬川くん。対戦チームで知っているのはツカサだけだけど、誰もが無駄のない動きをしていて、次々とツカサのもとにボールが集ってくる。
 そして、シュートを打たせればほぼ百パーセントに近い確率でゴールを決めていた。
「すごい、格好いい……」
「翠葉……うちのクラスを応援してくれないかしら?」
 桃華さんが口もとを引くつかせて言う。
「あ、わ……ごめんなさい。別にツカサを応援しているわけじゃないの。……ただ、なんていうか、無駄に格好いいよね?」
 訊くと、後ろから声がした。
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