光のもとでⅠ
「あ……えと……」
 希和ちゃんが私を見ているのはわかるのに、どうしてもツカサから目が離せなくて、なのに、応援に声を出せる気もしなくて……。
 困ってしまった――。
 きっとさっきの先輩は、こういうのも嫌なんだろうな、と思えば余計に。
 でも、それだけではなく、どうしたのかわからないくらいに心臓がうるさい。
 走ってもいないのに、バクバクいっていてどうしたらいいのかがわからない。
 思わず、胸もとのジャージを掴んだけど、それで心拍が治まるわけはなかった。
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