光のもとでⅠ
20
決勝戦のほとんどが二年A組と三年A組の対決だった。
そして、バレーとバスケにはツカサと久先輩が出ていた。
ツカサは無駄な動きが一切なく、久先輩の脚力には脱帽するばかり。
飛鳥ちゃんの軽快な実況中継と共に白熱する桜林館の熱気は目を瞠るものがあった。
最後まで見ていたかったけど、この熱気の中にずっといるのは危険な気もして桃華さんに声をかけた。
「私、少し早いけど先に図書室に行くね」
「顔、赤いわ……。熱、ないわよね?」
「うん、大丈夫」
笑みを添えると、「私も」と桃華さんが立ち上がろうとした。
それを遮り、
「せっかくの決勝なんだから見ていて?」
「でも……」
「大丈夫。ツカサが試合に出ているんだもの。ツカサを好きな人たちなら絶対に見逃さないよね?」
桃華さんは言葉を濁し表情を歪めた。
そして、バレーとバスケにはツカサと久先輩が出ていた。
ツカサは無駄な動きが一切なく、久先輩の脚力には脱帽するばかり。
飛鳥ちゃんの軽快な実況中継と共に白熱する桜林館の熱気は目を瞠るものがあった。
最後まで見ていたかったけど、この熱気の中にずっといるのは危険な気もして桃華さんに声をかけた。
「私、少し早いけど先に図書室に行くね」
「顔、赤いわ……。熱、ないわよね?」
「うん、大丈夫」
笑みを添えると、「私も」と桃華さんが立ち上がろうとした。
それを遮り、
「せっかくの決勝なんだから見ていて?」
「でも……」
「大丈夫。ツカサが試合に出ているんだもの。ツカサを好きな人たちなら絶対に見逃さないよね?」
桃華さんは言葉を濁し表情を歪めた。