光のもとでⅠ
「初めてお目にかかるわね、お姫様。風紀委員の二年、青木沙耶(あおきさや)よ」
「……一年の御園生翠葉です」
「警護対象の名前くらいわかってるわ。でも……具合が悪いところを見せてみろと言われて命を懸けるバカだとは思わなかった」
 少しむかっとした。
 確かにバカだと思う。
 でも、わかってもらうのに必要なことならば、それもひとつの手だと思う。
 つい、カッとしてそんなことを思ってしまったけれど、そこまでしてわかってもらう必要はないのかな……と改めて思いなおす。
 わかってくれる人だけがわかってくれればいい――。
 そう思っていたはずなのに、最近は少し欲が出てきていたのかもしれなくて……。
 そんなことを考えていると、
「私、これで失礼します」
 私を呼び出した人は踵を返して走り去った。
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