光のもとでⅠ
「あ……名前訊くの忘れちゃった……」
 取り残されたのは私と青木先輩。
「和総から聞いていたけど、本当に一風変わったお姫様だわね」
 腰に手を当てて、呆れた、って顔をされる。
 そして、ガサ、と音がして木陰から人が現れた。
「っ……ツカサ」
「翠……今みたいなこと、二度と口にするな」
「……はい」
 鬼のような形相をしていて、それ以外の言葉を発することができなかった。
 ツカサが怒るのは当然だ。
 ツカサは私の身体のことを詳しく知っているから。
 どれだけ危険なことを口にしたのか、よくわかっている人だから。
「そんな危険な方法を取らなくても飲んでる薬を見せるとかほかにも手はあるだろっ!?」
 あ……そっか。
 言われて今さらのように気づく。
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