光のもとでⅠ
 そう言ったあと、唯兄はいたずらっ子の顔で、
「荷物は栞さんに運んでもらって、俺たちは電車で帰ってこない?」
 電車……。
 それは私が憧れている乗り物。
 いつか、電車に乗りたいと話したのを覚えていてくれたのだろう。
「俺が一緒で、しかも平日の日中ならなんの問題もないと思うんだ」
「……いいのかな?」
「たまには冒険しようよ!」
 そんなふうに誘われて、少しドキドキしてしまった。
 栞さんに話してみると、
「若槻くんが一緒ならいいわよ」
 と、反対されることはなく、少しドキドキするイベントフラグが立った。
 学校を休んでいるのに、そんなことしていいのかな?
 少し罪悪感はある。
 それでも、楽しみであることに変わりはなかった。
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