光のもとでⅠ
 視界は回復し、少しずつ身体を起こす。と、
「大丈夫?」
「はい、もう大丈夫です」
 歌の練習が目的なら、場所はリビングへ移したほうがいいだろう。
 茜先輩とふたり、廊下を抜けリビングへ移動した。
 キッチンではツカサがお湯を沸かしながらハーブティーを選んでいる。
 どうしようかな……。このまま気まずいのは嫌だし……。
「茜先輩、私、手伝ってきます」
「うん、いってらっしゃい」
 にこりと笑われ、この笑顔に癒されていたい、と思う。
 後押しされるどころか、この場を離れたくなくなって少し挫ける。
「翠葉ちゃん、司も気にしてるから。だから、話しておいで? 私、ピアノ弾かせてもらってるから」
 ツカサも気にしてる……?
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