光のもとでⅠ
「明日、秋兄とブライトネスパレスに一泊って聞いた」
「うん、旅行なんて久しぶりですごく楽しみ。相馬先生に療養だって言われたけれど、療養になるのかな?」
少し苦笑。
だって、今日は学校を休んで唯兄と電車に乗ってしまった。
さらにはウィステリアホテルで須藤さんのランチまでいただいてしまったのだ。
「……ふたりで平気?」
「……え? ふたりじゃないよ? 蒼兄と唯兄も一緒なの。それから万が一のためにって、栞さんと昇さんも一緒に行ってくれるのよ」
家族以外の人もいる旅行は初めてだ。
こんなに賑やかな旅行が嬉しくて楽しみで、笑って話すとツカサが目に見えてフリーズした。
そして、すぐにそっぽを向き、「やられた……」と口もとを押さえて零す。
「……何が?」
「こっちの話……」
「何それ」
「企業秘密。ほら、栞さん待たせてるから上に移動」
そう言って、自分だけそそくさとリビング脇にある階段に向かって歩き始めてしまった。
「うん、旅行なんて久しぶりですごく楽しみ。相馬先生に療養だって言われたけれど、療養になるのかな?」
少し苦笑。
だって、今日は学校を休んで唯兄と電車に乗ってしまった。
さらにはウィステリアホテルで須藤さんのランチまでいただいてしまったのだ。
「……ふたりで平気?」
「……え? ふたりじゃないよ? 蒼兄と唯兄も一緒なの。それから万が一のためにって、栞さんと昇さんも一緒に行ってくれるのよ」
家族以外の人もいる旅行は初めてだ。
こんなに賑やかな旅行が嬉しくて楽しみで、笑って話すとツカサが目に見えてフリーズした。
そして、すぐにそっぽを向き、「やられた……」と口もとを押さえて零す。
「……何が?」
「こっちの話……」
「何それ」
「企業秘密。ほら、栞さん待たせてるから上に移動」
そう言って、自分だけそそくさとリビング脇にある階段に向かって歩き始めてしまった。