光のもとでⅠ

30

 幸倉の家の近くにあるインターから高速道路に乗り、唯兄が言っていたように一時間ちょっと走るとサービスエリアに入った。
 高速道路でずっと並んで走っていたわけでもなく、サービスエリアに入るのにも一台一台誤差が生じる。
 秋斗さんの車を蒼兄と昇さんが追い越すことはなかったので、きっと私たちが一番のり。
 秋の行楽日和ということもあり、道もサービスエリアもそれなりに混んでいた。
 とりあえず、トイレ休憩と称して車の外に出た。
 風が少し吹いているものの、寒いとは感じない。
「じゃ、ここで待ってるからね」
 秋斗さんとはトイレの斜め前の木のところで別れた。
 トイレから出てくると、昇さんや蒼兄たちもいた。
「無駄に目立ってるなぁ……」
 秋斗さんに昇さん、蒼兄に唯兄。
 ただ、立って話をしているだけなのにとても絵になる。
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