光のもとでⅠ
「なんだこれ……。嬉しい気持ちもあるのに、俺はなんだか複雑」
「なんですか、それ」
 クスリ、と笑って訊くと、
「若槻はさ、もうひとりの弟みたいな感じなんだ。憎まれ口叩きつつも部下でもあって――ずっと頑なだった若槻を救ってくれてありがとうね」
 秋斗さんはふわりと優しく笑った。
「今日の秋斗さんは表情豊かです」
「そう? だとしたら、それは翠葉ちゃん効果だよ」
 前方を見据えたままそう言われる。
 私、効果……。
 私にはどんな効果があるのかな。何ができるんだろう……。

 高速道路を下りて少し走ると、仰々しいゲートの前にたどり着いた。
 ゲートにはカメラ付きのインターホンが設置されていたけれど、秋斗さんは胸ポケットから取り出した携帯を操作する。
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