光のもとでⅠ
「さ、森へ行こうか。秋は春よりも日が沈むのが早いから」
そう言われて、今度こそ蒼兄たちとは別行動になった。
チャペルの脇から伸びている細い小道を歩けば森の入り口にたどり着く。
ここへ来るのは二度目ということだったけれど、私の記憶からはきれいさっぱり削除されていて、初めての景色に周りをきょろきょろ見ながら歩いていた。すると、
「危ないから手をつなごう」
秋斗さんを見ると、ハープもカメラケースも右肩に持っていて、左手が空いていた。
私ではそうはいかないな、なんて思いつつ、差し出された手に自分の右手を重ねる。
「……良かった」
「え……?」
「手を……取ってもらえなかったらどうしようかって、そんなことまで考えちゃうんだ」
秋斗さんは苦笑する。
「あの……私、そんなに不安になるようなことしていますか……?」
「違うよ。俺が自業自得なだけ。普段の行いが悪いとこういうことになるんだなぁ、って改めて実感」
秋斗さんはそう言って自嘲気味に笑った。
そう言われて、今度こそ蒼兄たちとは別行動になった。
チャペルの脇から伸びている細い小道を歩けば森の入り口にたどり着く。
ここへ来るのは二度目ということだったけれど、私の記憶からはきれいさっぱり削除されていて、初めての景色に周りをきょろきょろ見ながら歩いていた。すると、
「危ないから手をつなごう」
秋斗さんを見ると、ハープもカメラケースも右肩に持っていて、左手が空いていた。
私ではそうはいかないな、なんて思いつつ、差し出された手に自分の右手を重ねる。
「……良かった」
「え……?」
「手を……取ってもらえなかったらどうしようかって、そんなことまで考えちゃうんだ」
秋斗さんは苦笑する。
「あの……私、そんなに不安になるようなことしていますか……?」
「違うよ。俺が自業自得なだけ。普段の行いが悪いとこういうことになるんだなぁ、って改めて実感」
秋斗さんはそう言って自嘲気味に笑った。