光のもとでⅠ
 室内にある円柱のレトロなストーブは全部で三つ。
 広さ的には十五畳くらいだろうか。
 入り口の右側、北側の壁面にはドアがひとつついている。
 その先はトイレとかかな……?
 周りにはそこかしこに水に浮かべられたキャンドルやオイルランプがある。
 照明や暖房に電気が使われていないということは、もしかしたら電気は通っていないのかもしれない。
「あ――」
 さっきロビーでいただいたパンフレットに、このゲストルームの名前がステラ、と書かれていた。
 それはもしかしたら、星空を臨むためのゲストルームという意味なのかもしれない。
 だとすれば、明るすぎる照明は必要ないどころか、邪魔にしかならない。
 納得……。
 秋斗さんはジャケットを脱いでソファにかけた。
 私は部屋から見える景色を窓際からじっと見ていた。
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