光のもとでⅠ
 やだ、謝られるのは違うっ――。
「秋斗さん、謝らないで。謝ったらやだ……」
 この人に謝られるのは胸がぎゅってなる。
「……さ、そろそろ足もあたたまったよね?」
「はい」

 バスルームを出ると、前を歩いていた秋斗さんが振り向く。
「少しお昼寝したらどうかな? 本館の部屋に戻る? それともここで休む? どっちがいい?」
 本館のお部屋はまだ見ていない。
 そっちも気になるけれど、ここは横になっても空が見える。
 周りの景色もきれいに見える。
 見えないのはこの部屋の北側だけ。
 ここで休めたら幸せ。
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