光のもとでⅠ
 きれいな景色を見ながら横になれるなんて……。
 でも、私がここにいたら秋斗さんは休めないんじゃないだろうか。
「……本館へ戻ります」
 そう言って秋斗さんを追い越した。
「翠葉ちゃん、俺はどっちがいいかを訊いたんだよ?」
 後ろから声をかけられる。
 どっち――。
「ここにいたいならここでかまわないんだ。俺がいないほうがいいなら蒼樹か若槻を呼ぶし」
「違うっ――秋斗さんがいるからとかそういうことじゃなくて」
「じゃぁ、何?」
「……私がここでお昼寝しちゃったら秋斗さんが休めないから」
「なんだ、そんなこと?」
 秋斗さんはきょとんとした顔をしていた。
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