光のもとでⅠ
「俺は何もしないで過ごせる時間があればそれでいいんだ。翠葉ちゃんの『休む』は身体を横にして休むことが前提なのかもしれないけれど、俺は違う。ただ、頭を使わずのんびりと過ごせるだけで十分休養になる」
 ……そうなの?
「だから、ここで休みたいならそうすればいい。ほら、冷えないうちに布団に入りな?」
 秋斗さんはソファへ向かった。
 本当にいいのかな……。
「そんな顔をしてると添い寝してほしいのかと勘違いするよ?」
 少し意地悪な笑みを浮かべる。
 添い寝はちょっと困るというか、すごく困る……。
 だから、そうされる前にベッドへ入った。
 横になっても視界いっぱいに外の景色が広がる。
 きれい……。
 病院が全部こんな病室だったらいいのに。
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