光のもとでⅠ
 一緒にいたのは秋斗さん。
 また連れてきてくれると言われて喜んだのは私。
 手は最初からつながれていたけれど、その手に力をこめたのは私。
 手を目の高さまで持ち上げたのは秋斗さん――。
「リィっっっ」
「翠葉っっっ」
「……え?」
「眩暈か?」と訊く蒼兄を視界に認めると、噴水の音や周りの音が聞こえ始めた。
 私は噴水広場に続く道の手前に座り込んでいた。
「あ……ごめんなさい、違うの――」
 記憶が――。
 少しだけど、でも――こんなふうに会話と景色が一体となった記憶を思い出すのは初めて。
 パズルのピースではなく、ひとつのまとまりある絵として思い出したのは初めて……。
「どうした?」
 正面から歩いてきたのは昇さんと栞さんだった。
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