光のもとでⅠ
「五時前……」
ツカサはまだ学校だろう。
でも、声が聞きたい……。
ツカサと話したら落ち着ける気がする。
勇気を出してダイヤルする。
五コール鳴らして出なかったら切ろう――そう思っていたのに、二コール目で応答があった。
『どうかした?』
「今、電話していても大丈夫?」
『無理だったら出てない』
そんな返事にほっとする自分がいる。
『何かあったからかけてきたんじゃないの?』
「……いつもね、会話の一フレーズとか一シーンを切り取ったような思い出し方しかしないの」
『…………』
「でもね、さっき……会話とその場と全部揃った記憶を思い出してびっくりして――ほかのことも思い出せないかなって、一生懸命考えるんだけど――」
ツカサはまだ学校だろう。
でも、声が聞きたい……。
ツカサと話したら落ち着ける気がする。
勇気を出してダイヤルする。
五コール鳴らして出なかったら切ろう――そう思っていたのに、二コール目で応答があった。
『どうかした?』
「今、電話していても大丈夫?」
『無理だったら出てない』
そんな返事にほっとする自分がいる。
『何かあったからかけてきたんじゃないの?』
「……いつもね、会話の一フレーズとか一シーンを切り取ったような思い出し方しかしないの」
『…………』
「でもね、さっき……会話とその場と全部揃った記憶を思い出してびっくりして――ほかのことも思い出せないかなって、一生懸命考えるんだけど――」