光のもとでⅠ
 静さん――。
『翠?』
「ん?」
『ほかに何があった?』
「何もないよ……」
『全体を百として――』
 なんの話……?
『俺の信用はひとつの嘘で五十のマイナスになる』
「…………ツカサ、質問」
『何』
「信用を回復させるためのプラス作用の説明も聞いておきたいです」
『コツコツと数値をひとつずつ。なんだったら、翠専用にその半分の値も用意するけど?』
「えええええっ!? それに対してひとつの嘘でマイナス五十はひどいと思うのっ」
『なんとでも』
 涼しい声が聞こえてくる。
 きっと、今目の前にツカサがいたら笑みを浮かべていることだろう。
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