光のもとでⅠ
「蒼兄、あのね、このあと、少しだけステラハウスへ行ってもいい?」
「え?」
「星空が見たいの」
 蒼兄は顔を引きつらせて秋斗さんの方を向いた。
「秋斗先輩、信じてますからねっ?」
「右に同じくっ」
 唯兄と蒼兄が秋斗さんにじりじりと近づく。
「わかってるってば……」
 秋斗さんは苦笑して答えた。
「でも、翠葉、一度部屋に戻って着替えてからにしな。その格好で森を歩くのは寒いよ」
「うん。一度お部屋に戻って着替える。そしたらいい?」
「いいよ。戻ってくるときは携帯かけな。迎えに行くから」
「ありがとう」
「じゃ、俺はここで待ってるね」
 秋斗さんは噴水広場の脇にあるガーデンテーブルの椅子に座った。
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