光のもとでⅠ
「……寒くないですか?」
「大丈夫だよ。……男のほうが筋肉ついてるから寒さには強いんだ」
 あ――。
「……翠葉ちゃん?」
「あ……えと、あの、あとでたくさん訊きたいことが……」
「うん、いいよ。話をしよう」
「リィ、先に着替え。療養に来て風邪ひいて帰ったら相馬先生に何言われるかわかったもんじゃない。湊さんだって怖いんだからさ」
「それはそうね……」
 栞さんがクスリと笑った傍らで、昇さんが口を開く。
「そんな暁には間違いなく怒られるのは俺だ」
 すると、昇さんのジャケットを肩からかけてくれた。
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