光のもとでⅠ
「何? 急に笑いだして」
 秋斗さんに訊かれ、その日のことを話す。
「失敗した……。あの日、花火大会があることは頭にあったんだけどな……。司と見させるくらいなら俺が連れていきたかった」
「秋斗さんは見なかったんですか?」
「その時間は仕事してたなぁ……」
 もったいない、ものすごくきれいだったのに。
「なんだかいつもお仕事してますね?」
「社会人だしね。それが趣味でもある。生きがいっていってもいいかもしれない」
「なんだか必殺仕事人みたい」
 そう言って笑うと秋斗さんも笑った。
「あ、それ格好いいから、そういうことにしておいて?」
 昼間よりも少し賑やか。
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