光のもとでⅠ
38
「……びっくりした」
私の心臓一瞬止まったんじゃないかな?
「あ……でも、ちゃんとお返事はしてた」
――「まず、ほかの男にこんな状況を許してほしくないし、俺は――そうだな、もっとドキドキしてほしい。俺を男として意識してほしいから」。
「こんな状況」とは、人間座椅子を示すのだろうか……。
「ドキドキ」なんて、秋斗さんが何か行動するたびにしているのに、これ以上ドキドキしたら、私の心臓がもちそうにないんだけどな……。
「男として意識してほしい」は――男、男子、兄、父、全部同じ性別だけど……。
兄と父は家族。男と男子は一緒……?
異性、性別――。
ちゃんと理解できている気はしないのに、言われたときはどうしてあんなにドキっとしたんだろう……。
いつものように左サイドの髪の毛に触れるけど、そこにあるはずのものはない。
秋斗さんはとんぼ玉を持ったままバスルームへ行ってしまった。
私の心臓一瞬止まったんじゃないかな?
「あ……でも、ちゃんとお返事はしてた」
――「まず、ほかの男にこんな状況を許してほしくないし、俺は――そうだな、もっとドキドキしてほしい。俺を男として意識してほしいから」。
「こんな状況」とは、人間座椅子を示すのだろうか……。
「ドキドキ」なんて、秋斗さんが何か行動するたびにしているのに、これ以上ドキドキしたら、私の心臓がもちそうにないんだけどな……。
「男として意識してほしい」は――男、男子、兄、父、全部同じ性別だけど……。
兄と父は家族。男と男子は一緒……?
異性、性別――。
ちゃんと理解できている気はしないのに、言われたときはどうしてあんなにドキっとしたんだろう……。
いつものように左サイドの髪の毛に触れるけど、そこにあるはずのものはない。
秋斗さんはとんぼ玉を持ったままバスルームへ行ってしまった。