光のもとでⅠ
「私、とんぼ玉に頼りすぎ……」
 依存しすぎるのは良くない。
 わかってはいるのに、携帯に手が伸びる。
 携帯を手に取ると、暗闇の中で煌々とディスプレイが光る。
 やり慣れた操作を途中でやめ、携帯を放置する。
 録音を再生する必要なんてなかった。
 何度も繰り返し聴いていたからなのか、それとも、さっき電話で話したばかりだからなのか、携帯を耳に当てなくとも頭の中にツカサの声が直接響く。
 目を瞑り、その声に集中する。
 ――「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」。
 目を開ければ満天の星空。
「きれい……」
 明日もきっと晴れる――。
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