光のもとでⅠ
「どうして、久遠さん……?」
「お嬢様は久遠様のファンでしたか?」
「はいっ! 写真集は二冊とも持っていますっ」
思わず、手にも声にも力が入ってしまう。
「久遠様は、現時点では静様と個人契約をされているカメラマンでいらっしゃいます。ですので、出版する際も静様の伝手を使った出版社からのみの出版ですし――いつかお会いできるかもしれませんね」
久遠さん――年令も顔も何もかもが謎に包まれている写真家さん。
写真集の奥付に記載されるオフィシャルサイトからメールを送ったことがある。
それはとても短いメール。
『すてきな世界を見せていただきありがとうございます。私もカメラに興味を持ちました。こんなにすてきな世界は撮れそうにないけれど、私の身の回りにあるものを、自分が感じたままに表現できるようになりたいです』
一ヶ月ほどした頃、そのメールに返信が届いた。
「お嬢様は久遠様のファンでしたか?」
「はいっ! 写真集は二冊とも持っていますっ」
思わず、手にも声にも力が入ってしまう。
「久遠様は、現時点では静様と個人契約をされているカメラマンでいらっしゃいます。ですので、出版する際も静様の伝手を使った出版社からのみの出版ですし――いつかお会いできるかもしれませんね」
久遠さん――年令も顔も何もかもが謎に包まれている写真家さん。
写真集の奥付に記載されるオフィシャルサイトからメールを送ったことがある。
それはとても短いメール。
『すてきな世界を見せていただきありがとうございます。私もカメラに興味を持ちました。こんなにすてきな世界は撮れそうにないけれど、私の身の回りにあるものを、自分が感じたままに表現できるようになりたいです』
一ヶ月ほどした頃、そのメールに返信が届いた。