光のもとでⅠ
 当初、十二時チェックアウトの予定だった気がするけれど、生理が始まってしまった今、早く帰れるに越したことはない。
 それとも、帰りは帰りでどこかへ寄る予定があるのだろうか……。
 唯兄に案内してもらいながら、不安に思うことがふたつあった。
 それは帰りの予定と、私が乗る車。
「帰りも秋斗さんの車かな……」
「やなの?」
「嫌というわけではなくて……」
 ……蒼兄になら言えるのに。
「実は秋斗さんに昨日何かされたとかっ!?」
「何か……?」
「……それはないよな、うん。それは俺らがよく知ってるし……」
「あのね……せ、生理が――」
 小さく口にするだけでも恥ずかしい。
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