光のもとでⅠ
「……なるほど。今は? お腹痛くない?」
 ……どうしてこんなにも普通なんだろう?
「うん、大丈夫。朝、お風呂から上がってすぐに薬を飲んだから。でも……」
「そうだね。リィは本格的に痛くなるとかなりつらいもんね。わかった。秋斗さんの車には俺が乗るよ。さすがにひとりはかわいそうだからね」
 唯兄はウシシ、と笑った。
 そのいたずらっ子みたいな笑顔にほっとする。
 九時四十五分にはすべてを見終わって部屋へ戻ってきた。

「翠葉、荷物の整理は?」
「お風呂から上がったときに済ませてある」
「よし、じゃ、行こう」
 蒼兄の一言に私と唯兄が動く。
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