光のもとでⅠ
「サービスエリア近くにある合宿所に放り込んでくるつもりだったんだけど、翠葉がこっちに乗ることになったから、先輩が放り込む役を引き受けてくれた」
「……唯兄は知らないのよね?」
「知らないねぇ……」
 蒼兄は愉快そうに笑った。
 唯兄、大丈夫かな……?
「ま、唯はノートパソコンも持ってきてるし、何かあってもスカイプで話せるよ」
「そうだね。でも、着替えは? 一泊二日分しかないんじゃ――」
「唯には内緒で着替えもいくらか持ってきてある。それは秋斗先輩に渡し済みだから安心していいよ」

 帰りは三台とも別行動になった。
 秋斗さんは唯兄を合宿所に連れて行くために途中で高速道路を下り、昇さんと栞さんは予定どおり、行きと同じサービスエリアで休憩を取ったけれど、蒼兄は早く帰ることを優先しノンストップで高速道路を走ってくれた。
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