光のもとでⅠ
 マンションに着く前には薬を飲み足したものの、やっぱり痛くてつらい。
「おかえりなさいませ」とで迎えてくれたのは高崎さんだった
「あ、葵ならいいや」
「ちょっとちょっと蒼樹くん、俺ならいいやって何よ……」
「翠葉具合悪くて上まで運びたいんだ。車、任せてもいい?」
「あぁ、そういうこと。全然かまわないよ。翠葉ちゃん、大丈夫?」
 顔を覗きこまれて困ってしまう。
「大丈夫、です……」
「……本当に? 顔真っ青だよ? ……あれ? 一気に真っ赤になったけど」
 真っ青だったのはお腹が痛くて。真っ赤になったのは恥ずかしくて……。
「葵、月一だから大丈夫」
「……あ、そういうことか。翠葉ちゃんごめんね、不躾で」
 高崎さんは蒼兄と変わって運転席におさまり、私は蒼兄に抱えられたままゲストルームの自室へと戻ってきた。
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