光のもとでⅠ
 でも、お弁当は……?
「弁当は夕飯にでも食べる」
「……ありがとう」
「っていうか、なんで携帯に出なかった?」
「…………サイレントモードにしてありました」
「……あっそ」
 ツカサはサイドテーブルに目を移すと、
「何これ……」
 無機質な声を発した。
 あ――。
「鎮痛剤であることはわかる。でも――翠、これを今日何錠飲んだ?」
 訊かれたくなかった。見つかりたくなかった……。
 オーバードーズしてるのなんて知ったら、ツカサが怒らないわけがない。
 というよりは、すでに怒られている気がする。
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