光のもとでⅠ
 感情のない声だけが返ってきて、
「食べないと冷えるけど?」
 と、スープを指して言われた。
 重い身体を起こしトレイのカップに手を伸ばす。
 少しずつ飲み、吐き気を感じることなく飲み終えたけれど、あとから襲ってくる吐き気が怖くてサイドテーブルの薬に目をやる。
 飲みたいけど、ツカサがいる――。
「飲めば?」
「…………」
「飲んでも数時間しか効かなくて、あまりにひどいと戻すんだろ。……だったら飲めばいい」
 納得してその言葉を口にしているようには見えなかった。
 私だって好きでこんなに薬を飲んでいるわけじゃない。
 それに、こんな痛み――ツカサは一生わからないじゃない……。
< 3,554 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop