光のもとでⅠ
「その薬……飲みすぎると肝臓をやられるんだ」
 知ってる……。
 紫先生から何度も聞いた。
「毎月のことならそのたびに血液検査くらいしてもらったら?」
 あ――。
「ODしたことを怒ったんじゃなくて副作用の心配をしてくれたの……?」
「あのさ、俺をなんだと思ってるわけ? 翠の生理痛がひどいのは知ってるし、翠が率先してODするほどバカだとは思ってない」
 今度こそ怒られている気がした。
 手元の時計に目をやると、
「そろそろ戻るから」
 と、トレイを持って立ち上がった。
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