光のもとでⅠ
「はい……。誰に連絡しても連絡がつかないからって……。サイレントモードにしてたの怒られちゃいました」
「ま、過度なのはどうかと思うけど、心配する相手がいることも、心配してくれる人がいることも、どっちも悪いことじゃないわ」
 と、近くのクッションを手に取り腰を下ろした。
「栞から聞いた。私もちょうどその話を翠葉にしようと思っていたところだし」
 それはきっと婦人科のお話。
「あんたの年だと一番疑わしいのは子宮内膜症だけれど、だとしたら、生理期間じゃないと検査できないの。抵抗はあるだろうけれど、一度婦人科を受診しない?」
 ただでさえ、特異な内診台での診察。
 加えて生理中ともなれば抵抗がないわけがない。
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