光のもとでⅠ
 優太先輩と嵐子先輩は電車通学のため、校門を出るとバス停へ向かって坂を下る。
 それに対し、私とツカサは坂を上がりマンションへ向かう。
 その坂にうちの生徒が十人ほどいた。
 何……?
「朝霧(あさぎり)」
 ツカサがそのうちのひとりに声をかけた。
「今は部活動禁止期間のはずだけど?」
「学校にはちゃんと許可証発行してもらってるからお咎めなしだよ。いい感じに雲がある日の夕焼けを撮りたくてさ。藤宮たちは――あ、あのマンションか。待ってるからとっとと坂上がっちゃってね」
「翠、行こう」
「は、はい」
 ツカサの隣に並び、
「部活動ですか?」
< 3,595 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop